札幌市、清田区で障がいのある方の回復期のリハビリテーションや、慢性の病気をお持ちの方の長期にわたる療養を支援いたします。

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真栄NEWS

ぽかぽか通信『しんえいの杜開設より1年を経て』

当院では年4回、『ぽかぽか通信』を発行しております。
今回は平成22年3月発行の『ぽかぽか通信』1面記事をご紹介いたします。
2〜4面でも楽しい内容の記事を掲載しておりますので、当院へお越しの際は是非お手にとってご覧下さい。

担当医画像しんえいの杜開設より1年を経て
しんえいの杜 施設長 小笠原 俊夫
 H21年3月1日に介護療養型老人保健施設『しんえいの杜』を開設し1年が経ちました。 H20年度に介護療養型老人保健施設(以後、療養型老健)が制度上に設けられ2年が経とうとしています。真栄病院では全国でもいち早くこの制度を取り入れ、しんえいの杜を開設しました(H21年10月時点で病院併設型は2施設しかなかったようです)。振り返るとH20年6月頃に準備を始め、先ずは療養型老健の役割・意義を理解するため外部講師による研修や施設見学・実習を重ねました。その後、『施設の入所者』と『病院の患者』の区別をつける点より始めていったことを思い出します。開設時の入所者は『医療区分1(療養病床制度の中で、もっとも医療の必要性が少ない状態)の方で病状が安定しており、主に介護が必要な状態』を判断基準としていきました。
 現在しんえいの杜はおかげさまでほぼ満床であり、ショートステイ用のベッドも足りない状況になるほど利用されています。介護老人保健施設(以後、従来型老健)の役割は生活を重視するケアで在宅生活への支援をするものであり、しんえいの杜もこれを基本と考えました。しんえいの杜の役割を1年経った今、地域との連携・真栄病院との連携という機能で考えてみると、新たなことが見えてきます。私どもは同法人内に回復期リハ病棟と医療療養病棟を持っており、そしてしんえいの杜が加わったことにより、地域で求められる医療やリハビリテーションの必要な方々に制度上の垣根を越えて提供できるようになりました。急性期医療を終えている方の中に、例え医療の必要性が低くても介護やリハビリテーションが必要な方は少なくない状況です。このような方にしんえいの杜が介護を提供できると考えております。
 しんえいの杜の入所者の状況についてご紹介したいと思います。入所者の要介護度は従来型老健の全国平均3.3〜3.4を大きく上回る4.0(H22年1 月末時点)となっており、介護療養型病床に近い分布状況となっています(*1)。また医療行為(胃瘻などの経管栄養・喀痰吸引・インスリン注射)が必要な方は54名中28名となっております。入所者の多くは療養病床からの移動ですので予想されていたことでしたが、制度上で医療区分1と医療の必要性が最も低い方でも、医療行為や介護の必要性が高い方が入所しているのが実状です。このような中で私たちは、入所している方々が意欲的に生活し、気持ちの上でも身体面でも能力の維持・向上のために支援する(環境を作る)ことを大切にしています。 しんえいの杜の名称は職員から募集し決めたものです。私自身、しんえいの杜に用事がある時は病棟職員に「ちょっと杜に行ってきます♪」と愛着を持って呼ぶことがあります。職員間でこのように呼ぶことが多いと思いますが、私は『杜』という言葉には、穏やかで静かな印象を持っており、字の形と共に大好きな響きでもあります。木々が生い茂って、夏は強い陽射しを遮り、冬は寒風から守ってくれ、水分や栄養分を蓄えここに住む生命をはぐくむ『杜』です。私たち職員はこの杜の木のようにいきいきと根をはって地域医療の一端を担っていきたいと思います。
 この場を借りて、病院から施設への入所にあたりご理解頂きました患者様・ご家族様には感謝申し上げます。また準備から現在の運営まで力を合わせてきた職員にも「ありがとう、そしてこれが始まりです」と激励を送ります。

2010-03-05

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