札幌市、清田区で障がいのある方の回復期のリハビリテーションや、慢性の病気をお持ちの方の長期にわたる療養を支援いたします。

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真栄NEWS

ぽかぽか通信『診療報酬改正に伴う療養型病院のお話 』

当院では年4回、『ぽかぽか通信』を発行しております。
今回は平成18年6月発行の『ぽかぽか通信』1面記事をご紹介いたします。
2〜4面でも楽しい内容の記事を掲載しておりますので、当院へお越しの際は是非お手にとってご覧下さい。

担当医画像診療報酬改正に伴う療養型病院のお話
医療福祉科 科長  山口 修史

 平成18年4月1日診療報酬改正に伴い、今後の療養のあり方に大きな変化が出てくると思われます。そこで、ソーシャルワーカーの視点で私見を踏まえ、皆さんと考えていきたいことを述べようと思います。なお、くれぐれも一般的な療養型病院の話としてご理解下さい。
 さて、今回の診療報酬改正の1番の改正点は、施設での療養が適していると判断される患者様は入院基本料を低く設定されており、このような患者様が多く入院している病院は収入が激減し、経営を圧迫するという点です。そうなると、誤解を恐れずに言うならば、収入に見合わない患者様は退院をして頂く方向になる可能性があります。逆に介護が主体での療養ではなく、何らかの医療管理の必要な状態で療養を必要とする患者様は、入院基本料が比較的維持されており入院継続がしやすい環境になります。先に述べた『施設での療養が適していると判断される患者様』とは、介護を主体とした療養や維持的なリハビリテーションを行っている方だけでなく、胃瘻や鼻導栄養の方も含まれます。このような方は介護保険を利用しての入院や入所が主となり、制度上医療と介護の区別が今まで以上に明確化してきたと言えるでしょう。
 現に様々な療養型病院が、診療報酬改正により介護が主体になっている患者様を施設や在宅退院の方向で調整したり、新たな入院患者様も介護が主体での療養目的の相談を断ったりと、患者様を選んでいる状況が各地域において既にあります。
 では、なぜこのような改正になったのでしょう?その背景には皆さんもご承知の通り、高齢化社会に伴う医療費の増大や介護問題、社会的理由による入院など、医療と介護の区別が困難な様々な理由が挙げられ、医療保険の財政は非常に厳しくなっているからです。これは私見ですが、療養型病院のベッド数は介護的要素が非常に高く、医療提供の観点からは現状のベッド数が適正ではないのだと考えます。また、厚生労働省は各療養型病院の機能が明確になった上で、本当に必要なベッド数の見直しを目的に、医療改革を進めようとしているのではないかとも思います。言い換えれば、介護機能の高い病院は今後老人保健施設への移行や、ベッド数を減少させ病床を再編成し、医療と介護の住み分けが明確になるのだということです。
 そこで、このような現状において皆さんの生活にどのような影響が出るかを考えてみました。国は、社会が核家族や共働きが一般的ななか、在宅介護を推進してきました。しかし市民生活では、長引く不況や老々介護、その他多くの社会問題等で今のライフスタイルを変化させることも容易でなく、なかなか在宅介護がしづらい環境があったと思います。今回の改正では、何らかの理由が無い限り容易に入院ができないということが一層強化され、施設は待機者が多く容易に入所できない現状から考えても、介護負担の多くは在宅で引き受けざるを得ない状況になり、やや強引に在宅介護の方向にもっていった印象があります。
 最後に、このような現状において不安になられた方も多いと思いますが、そんなときは身近にいるソーシャルワーカーを頼って下さい。私たちは、いつでも皆さんが医療福祉科に足を運んで下さることをお待ちしております。一人で悩まず、一緒に悩みませんか?そしてよりよい解決方法を一緒に見つけましょう!

2006-07-03

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