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ぽかぽか通信『楽しみのある安全な食事を目指して』

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  楽しみのある安全な食事を目指して

  栄養科 嶋田 祐子


先日、日本慢性期医療学会に出席し、他の病院の発表を聞く中で、当院の食事について、改めて整理し、今後の取り組みを考えましたので、ぽかぽか通信を通して患者様・ご家族様にもお伝えしたいと思います。
当院には、高齢(75歳以上)又は脳血管障がいによる嚥下障がい(飲み込む動作が障がいされている)の患者様や認知症による摂食障がい(食べようとする行動が障がいされている)の患者様が多く入院されています。
そこで、食事を提供する上で、
1. 個々の患者様に適した(安全に食べられる)食事の形態(一口大・刻み・ペースト)と分量(全量・3/4量・1/2量・1/4量)を提供する。
2. 必要な栄養量を確保する為、嗜好を取り入れ、少量で栄養のある食品を組み込んだ食事内容を考え、少しでも全量を食べてもらえるように工夫し、また、口から食べられない場合は、胃に直接栄養を注入する方法や点滴での栄養補給を提案し、ご家族様と散歩や会話を楽しんだりできるような体力を維持する。
3. 食事を少しでも口から食べてもらえるよう、患者様やご家族様に好きな物を聞き、また看護師・言語聴覚士と協力し、食べられる物を考える。
を目標に、病棟に担当の管理栄養士を配置し、個々の患者様の栄養プランを立て、いつでも食事について話ができるようにしています。これまでに、言語聴覚士による嚥下のリハビリ訓練を行いながら、ペースト食から徐々に段階を上げ、一口大まで食べられるようになった患者様や、胃に直接栄養を注入する経腸栄養を続けながら、口から大好きなアイスクリームを安全に楽しんで食べられるようになった患者様がいました。このような取り組みを通して、患者様の様子をご家族様と共に確認し、励まし、悩み、喜び、そして安心した療養生活を送っていただきたいと考えています。
 今後は、今まで以上に美味しく安全に食べられるよう、味付け・盛り付けに気をつけ、また、新しい食形態である見た目にも楽しめるソフト食の作成を試みていきたいと考えています。
 食事についての相談や質問がありましたら、どうぞ気軽に声をかけてください。お待ちしています。

2011-09-22

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