札幌市、清田区で障がいのある方の回復期のリハビリテーションや、慢性の病気をお持ちの方の長期にわたる療養を支援いたします。

札幌市清田区真栄331番地
TEL011-883-1122

尚仁会トップ真栄病院真栄NEWSぽかぽか通信『ソーシャルワーカーのお話』

真栄NEWS

ぽかぽか通信『ソーシャルワーカーのお話』

 

担当医画像 ソーシャルワーカーのお話
地域支援部 部長 山口 修史

 

病院のソーシャルワーカー(以下SW)が、入院のこと・退院のこと・生活費や医療費のこと・社会福祉の施設や制度の利用のこと・年金や保険等の社会保障などの相談を受けていることはご存知と思います。これらは医療や介護の影響で、普段の生活が変わり何か困り事を抱えてしまった患者様・ご家族を生活支援していることになります。SWが生活支援を行うのは、医療の専門家ではなく、福祉の専門家だからです。
 ではなぜSWはこのような支援をするのでしょう?それはSWが、『人々がよりよい状態で存在する』ということに、価値があると考えているからです。ですから、生活の『質の向上』とか『豊かさ』などといった言葉がキーワードになります。しかし、それをSWが与えるという考え方ではありません。SWは個々の生活支援を必要とする方が、「得たい結果を自分自身の力で得ることができる、自分自身で課題を決め自分で乗り越える・取り組むことができる」ための必要な力を促し・補充・補足するなどの役割をもっています。ですから、個々人の価値観・意思(意志)・生活習慣などを大切にしながら支援します。
 例えば、何度も胃潰瘍で入退院を繰り返す患者がいました。何回も入退院を繰り返すため、医師からSWに、「治療はうまくいっているのに、入退院を繰り返す。何か心理的な原因があるかもしれない。相談に乗ってほしい。」と。SWはその患者と面接をしました。すると、「借金を抱えており、家に借金の催促が来る。どうしたらよいか・・・。弁護士にも相談したいのですが、お金がなくて・・・。」とのこと。SWから「市の無料相談や弁護士会で相談できることはご存知でしたか?」と訊くと、患者は「知りませんでした。相談してみます。」と、この後SWと患者は相談の段取りをつけ、弁護士との相談後破産手続きをとり、生活の再スタートができました。以降この患者が胃潰瘍で入院してくることはありませんでした、なぁんてことがあったとしましょう。ここで伝えたいことは、体の治療をするだけでは、『人々がよりよい状態で存在する』ことにならないこともある、ということです。体はよくなっても、不安の元がなくならなければ、また体は悪くなる、というように、私達の体と心と生活環境は、影響し合っています。
 この例では、SW・医師・弁護士・その他登場してない人々が関わっています。SWは直接的に関わるだけでなく、様々な専門家と連携して『人々がよりよい状態で存在する』ことをお手伝いする職種なのです。これからもどうぞ宜しくお願いします。

2012-03-26

END .subBox